遺言書で相続予定だった子が親より先に亡くなってしまった場合

遺言書にも「備え」が必要です

日本の社会は高齢化社会から超高齢社会となり、そして更なる高齢化が進んでいます。
高齢化が進むことにより、子供が親より先に亡くなってしまうことも珍しくありません。
子供が親より先に亡くなってしまうことを「逆縁」といいます。

日本は長寿国です。
平均寿命はこの先男女とも引き続き延びて、女性の平均寿命は90歳を超えると見込まれています。
しかし、当然ながら誰もが長生きするわけではありません。
親が長生きしている分だけ、「逆縁」が起きる可能性が高くなるといえるでしょう。

そして、この「逆縁」が、遺言書に大きな影響を及ぼすことがあるのです。

逆縁と予備的遺言

「逆縁」が遺言書に与える影響

例えば、父親が妻と2人の子供に対して、次のように財産をそれぞれ相続させるという遺言を残したとします。

  • 「妻には6分の3」
  • 「長男には6分の2」
  • 「長女には6分の1」

しかし、この遺言書を残した父親より先に長男が亡くなってしまったとしたら、この遺言書の効力はどうなってしまうのでしょうか。

。。。答えは、「長男が受け継ぐはずだった遺産(6分の2)の部分についてのみ、この遺言書が無効になる。」です。

遺言書そのものが無効になることはありません。
また、自動的に長男の子供(つまり孫)に相続されるようなこともありません。
このことは、民法により「遺言書を残した人の死亡以前に、この遺言によって財産を受け継ぐはずだった人がすでに亡くなっている場合は、遺贈の効力は生じない」と規定されています。(民法第994条)

この場合、遺言によって財産を受け継ぐはずであった人の財産は相続人全員の共有になります。
そして、相続人全員による話し合い(遺産分割協議)により、その財産を受け継ぐ人を決めることになります。
上に記した想定の事例では、長男が受け継ぐはずだった遺産(6分の2)については、「妻」と「長女」が話し合って分け方を決めることになるというわけです。

ただ、この時は、長男に子供(つまり孫)がいる場合には、その子供も相続人になりますから、長男が受け継ぐはずだった遺産(6分の2)の分け方については、「妻」と「長女」と「長男の子供」が話し合って分け方を決めることになります。

予備的遺言で「逆縁」に備えた遺言書を残すことが大切

遺言書を残してから、時が経てば経つほど、想定していなかった「逆縁」などの事態が起こる可能性が高くなります。
もし、想定外のことが起きてしまった場合には、遺言書を新たに書き直した方が良いでしょう。

しかし、遺言書を書き直そうとしたときに、本人が認知症などに罹ってしまっていれば、遺言書を書き直すことが出来なくなってしまうことも考えられます。
ですから、遺言書を書く時には、「逆縁」も含めて、将来予測できるリスクに対応できるよう、文面や内容に工夫を凝らすことも必要です。

例えば、上の想定事例の場合ですと、「長男には6分の2」のほかに、「長男が私より先に死亡してしまった場合には、その分の財産は妻に相続させる。」という一文を加えておくことです。
このように、リスクを想定した遺言のことを、「予備的遺言」といいます。
リスクを考え始めるとキリがありませんが、ある程度のリスクは想定しておいた方がスムーズな相続が行えますし、遺言書を残すあなたの想いをより確実に実現することができます。
ある程度のリスクを想定した「予備的遺言」をお勧めいたします。

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