行方不明になった父の財産を相続する方法はありますか?

私の父は10年ほど前に突然行方不明になりました。
警察に捜索願も出し、残された母と私たち兄弟は探し回りましたが、未だ行方は分かりません。
行方不明になって2年ほど過ぎた頃、警察から「父が免許証の更新に来ている」という連絡がありましたが、とても遠い場所で、警察でもずっと引き留めておくことはできないとのことだったので、結局会うことは叶いませんでした。
以来、そうした連絡もありませんので、今では生きているのか、死んでいるのか全く分かりません。
私たち家族は、父の財産を処分することもできず、困っています。
父の財産を精算して、父の行方不明について終止符を打つために、いっそのこと相続してしまいたいのですが、相続する方法はありますか?


One thought on “行方不明になった父の財産を相続する方法はありますか?

  1. 行方不明の人が「死亡した」ということにならなければ相続することはできません。

    相続に関するご質問ありがとうございます。
    大変な思いをされていますね。
    早くにケリをつけたいというお気持ち、よく理解できます。

    ただ、今の状態では「相続」をすることはできません。
    相続は、人の死によって始まります。
    つまり、人が「死亡した」ということにならなければ相続することはできないのです。

    それでは、あなたのお父様の死亡が確認できるまで何もできないのでしょうか。
    いいえ。
    方法はあります。

    以下に詳しくご説明いたします。

    行方不明者の相続

    相続は「死亡」した時に開始される。

    現在の法律では、人が生きている間に相続することは認められていません。
    相続が開始するのは、人の「死亡」の時だけなのです。

    あなたのお父様は、生死がはっきり分からない状況です。
    ですから、今のままでは、あなたやご家族はお父様の財産を相続することはできないのです。

    「失踪宣告の申立て」をするのも解決方法のひとつです。

    しかし、お父様の行方も生死も分からなくなって10年が経っており、最後にお父様の存在が確認できてからも8年ほどが経っているということですから、解決方法はあります。

    あなたやご家族がお父様の財産を精算するために相続したいのであれば、利害関係人として家庭裁判所に「失踪宣告の申立て」をすれば良いのです。

    法律上、次のような場合に「失踪宣告の申立て」ができます。

    • 行方不明になった人の生死が分からなくなってから7年が経った場合。(普通失踪)
    • 戦地に行ったとか、沈没した船に乗っていたなど、死亡している可能性が高い理由によって行方不明となっている場合は危難の去った時から1年が経った場合。(特別失踪)

    「失踪宣告の申立て」が認められると、「死亡した」とみなされます。

    家庭裁判所に「失踪宣告の申立て」をすると、家庭裁判所では失踪宣告の要件を満たしているかどうかを判断します。
    家庭裁判所が失踪宣告の審判をくだした時、その行方不明者は「死亡した」とみなされます。

    あなたのお父様の場合、「普通失踪」ということになります。
    ですから、家庭裁判所の失踪宣告が確定すれば、お父様の最後の音信があったときから7年間が経過したときに、お父様は「死亡した」ものとみなされます。

    なお、参考までに、「特別失踪」の場合には、「その危難の去ったとき」に死亡したものとみなされます。

    こうして失踪宣告の審判が確定すれば、行方不明だったお父様は死亡したことになるわけです。
    つまり、お父様の財産について、相続が開始することになるわけです。

    お父様が残した財産を相続するためには、このような手続きを取ることが必要です。

    失踪宣告を受けた本人が帰ってきたらどうするか。

    これまでに説明しましたとおり、失踪宣告の審判が確定すれば、法律上はお父様は死亡したことになります。
    それによって、お父様の財産について相続手続きをすることができます。

    しかし、実際にお父様が死亡しているかどうかは分かりません。
    どこかで生きておられる可能性もあります。
    そして、ひょっこり帰ってくることだって考えられます。

    さすがに、そのような場合にまで、お父様を「死んでいる」ことにはできません。

    法律上、失踪宣告を受けた人が生きていることが分かったり、失踪宣告によって死亡がみなされた時と違う時にしぼうしたという証明があるときは、本人などが家庭裁判所に請求することによって失踪宣告の取消しをすることになります。

    その時には、相続はなかったことになります。

    行方不明者の相続手続き

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