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2026.10.05

【「見守り契約」って何?何を見守る契約?】

今日は「見守り契約」のお話です。

老いじたくのご相談で、

「見守り契約って、何をしてもらう契約ですか?」

と聞かれることがあります。

実は「見守り契約」という名前の制度が、

法律に一律の内容で定められているわけではありません。

一般的には、

元気なうちから定期的に連絡を取ったり、

面談したりして、

「変わったことはありませんか?」

「生活で困っていることはありませんか?」

と、ご本人の生活状況や心身の変化を継続的に確認していく契約です。

たとえば、

定期的に電話やLINEをする。

定期的に訪問する。

入院したら連絡をもらう。

何か困りごとが出てきたら相談を受ける。

そんな関わり方です。

でも、私は見守り契約の大切な役割は、

単に「元気ですか?」と確認することだけではありません。

その人に変化が起きたときに、

「次の支援が必要になったことに気づく」

ための仕組みでもあるのです。

たとえば――

判断する力は十分あるけれど、

身体が不自由になり、

銀行や役所へ行くことが難しくなった。

そんなときには、

本人の希望に基づいて財産管理や各種手続きを任せる

「財産管理等委任契約」

を利用することがあります。

もし、認知症などによって判断する力が低下し、

自分だけで財産管理や契約を行うことが難しくなってきた。

そんなときに備えるのが、

「任意後見契約」です。

任意後見契約は、

元気なうちに「将来この人に支えてもらいたい」と決めて契約しておきます。

ただし、契約しただけですぐ任意後見人としての仕事が始まるわけではありません。

本人の判断能力が不十分になり、

家庭裁判所が任意後見監督人を選任したときに、任意後見契約の効力が生じます。

だからこそ、

「そろそろ任意後見を始めた方がよい状態ではないか」

という変化に気づく人が必要です。

そこで、

見守り契約が意味を持ちます。

そして人生には、

その先もあります。

本人が亡くなった後には、

葬儀や納骨、

住居の片づけ、

公共料金やサービスの解約、

関係者への連絡など、

本人自身ではできない手続きが残ります。

そうしたことをあらかじめ託しておくのが

「死後事務委任契約」

です。

つまり、

元気な今をつなぐ「見守り契約」

判断能力はあるけれど、手続きなどを任せたい時期を支える「財産管理等委任契約」

判断能力が低下した後に備える「任意後見契約」

亡くなった後のことを託す「死後事務委任契約」

それぞれ役割も、始まる時期も違います。

財産管理等委任契約と任意後見契約を組み合わせ、判断能力がある間は委任契約、その後は任意後見へ移行する方法も、実務上用いられています。

老いじたくとは、

「何かあったときに一つの制度で全部解決すること」

ではありません。

元気なとき。

少し助けが必要になったとき。

判断することが難しくなったとき。

そして、自分が亡くなった後。

その時々に必要になる支援を考え、

「誰が、いつから、何をするのか」

を元気なうちにつないでおく。

見守り契約は、

その長い準備の最初の入口になることがあります。

「まだ元気だから必要ない」

ではなく、

元気な今だからこそ、

これからを一緒に伴走してくれる人を決めておく。

それもまた、

大切な「老いじたく」だと思っています。