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2026.10.06

【「財産管理等委任契約」って何?任意後見とはどう違う?】

今日は前回の「見守り契約」に続いて、

「財産管理等委任契約」

のお話です。

老いじたくのご相談では、

「任意後見契約を結んでおけば、将来のことは全部お願いできるんですよね?」

と聞かれることがあります。

ここで大切なのが、

任意後見契約は、すぐに始まる契約ではない

ということです。

任意後見契約は、
本人の判断能力が不十分になった後、

家庭裁判所が任意後見監督人を選任したときに効力が生じます。

つまり、

認知症などによって判断する力が低下した後に備える契約です。

では、

判断する力は十分ある。
でも、身体が不自由になってきた。

銀行へ行くのが大変。
役所の手続きが負担。
公共料金の支払いや、さまざまな契約手続きを誰かに任せたい。

そんなときはどうするのか。

そこで利用されることがあるのが、

財産管理等委任契約

です。

これは、本人に判断能力があるうちから、
本人の意思に基づいて、

・預貯金の管理や金融機関の手続き
・公共料金や各種費用の支払い
・役所などでの手続き
・契約に基づいて定めた財産管理や生活上の事務

などを、信頼できる人に任せておく契約です。

ここが、

任意後見契約との大きな違いです。

財産管理等委任契約
→ 判断能力がある間から利用できる

任意後見契約
→ 判断能力が不十分になり、任意後見監督人が選任されてから始まる

このような違いがあります。

だから私は、この2つを

「どちらか一つ選ぶもの」

ではなく、

「時間の流れの中で役割をつなぐもの」

として考えることが大切だと思っています。

たとえば、

元気なうちは自分で管理する。

少し身体が不自由になり、

様々な手続きが負担になってきたら、

財産管理等委任契約で必要な部分を任せる。

その後、

判断能力が不十分になってきたら、

任意後見監督人の選任を申し立て、

任意後見契約に基づく支援へ移行する。

そんな流れです。

なお、

任意後見契約は公正証書で締結する必要があります。

そして、

どこまでのことを任せるのかは、

とても大切です。

財産管理等委任契約も、

「何でも全部お願いします」

ではありません。

財産管理等委任契約は任意後見と違い、

任意後見監督人のような第三者の監督が当然に入る仕組みではありません。

だからこそ、

誰に任せるのか、

報告方法や確認方法をどう決めるのかがとても重要です。

何を任せるのか。
どこまで任せるのか。
報告はどうするのか。
お金の管理はどう確認するのか。

本人と受任者の間で、具体的に決めておく必要があります。

老いじたくというと、

「認知症になったときのために任意後見を」

と考えがちです。

でも実際には、

認知症になる前にも、

誰かの助けが必要になる時期があります。

特に、

頼れる身寄りがない場合には、

誰に支援を頼むのかを、

より早い段階から考えておくことが大切です。

だからこそ、

元気な今。
少し助けが必要になったとき。
判断することが難しくなったとき。

その間を切れ目なくつなぐように、

「誰に、いつから、何を任せるのか」

を考えておく。

それが、財産管理等委任契約と任意後見契約を一緒に考える意味だと思います。

「まだ自分でできるから大丈夫」

ではなく、

自分で決められる今のうちに、
将来、誰にどう支えてもらうのかを決めておく。

これも、大切な「老いじたく」です。