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2026.09.29

亡くなったときのお金」が、「これからを生きるためのお金」になりました

今日は以前ご紹介した事例の

「その後」です。

若年性認知症が進行し、

日常生活に常時介護が必要となった方について、

ご家族からご相談を受けました。

その際、私は、

「認知症だから対象外」と決めつけず、

加入している生命保険や住宅ローンの団体信用生命保険(団信)について、「高度障害」に該当する可能性がないか確認してみてはどうでしょう。

とお話ししました。

認知症という診断名だけで決まるものではありません。

保険契約ごとに定められた要件と、

ご本人の具体的な状態を確認する必要があります。

ご家族が実際に手続きを進めた結果、

・生命保険では「高度障害」と認定され、保険金が支払われる

・団信でも「高度障害」と認定され、住宅ローンが完済される

という結果になりました。

ここまでが、以前ご紹介したお話です。

でも、この話には「その後」がありました。

ご家族は、

私の記事をきっかけに、

「ほかに加入している共済も対象になるのでは?」

と考えられました。

そこで改めて医師に診断書を書いていただき、

加入していた共済にも請求。

そして今回、

こちらについても「重度障害」と認められ、

共済金が支払われたとのご報告をいただきました。

ご家族からいただいた言葉が、

とても印象に残っています。

「亡くなった時に支払われる保険金が、

思いがけなく『今』もらえたことはとても意義深いです」

本当に、そのとおりだと思います。

そして、

私がさらに心を動かされたのは、

その先のお話でした。

以前、

私はこのご家族の不動産に関する手続きをお手伝いしています。

当初は、

将来的にその建物を処分することも考えていらっしゃいました。

ところが、

私の勉強会をきっかけにエンディングノートを意識するようになり、

ご家族が折に触れて、

「本人はどうしたいのだろう」

と、そのお気持ちを確認するようになったそうです。

そこで分かったのが、

「この家と庭の木を残したい」

というご本人の思いでした。

現在、

ご家族はその思いを受け止め、

建物をリフォームして、

若年性認知症のご本人やご家族、

そして伴走する人たちが集まれる場所として活用することを考えていらっしゃいます。

さらに、そこには、ご本人がお子さんのために購入した、思い出の詰まったグランドピアノも移したいとのこと。

地域の方も気軽に集まり、

ときには小さなコンサートもできる。

そんな場所を思い描いていらっしゃいます。

そして今回、

生きている「今」受け取ることができたお金も、

ご本人の願いをかなえ、

これからの暮らしをつくっていくために役立てたいとおっしゃっています。

私は、

このお話には「老いじたく」の大切なことが、

いくつも詰まっていると思います。

使える可能性のある制度や保障を知っておくこと。

「自分には関係ない」と最初から決めつけないこと。

そして何より、

「本人は、これからどう生きたいのか」

「本人が大切にしているものは何なのか」

それを、本人が思いを伝えられるうちから、少しずつ話しておくこと。

エンディングノートは、

「亡くなった後」のためだけに書くものではありません。

認知症になっても、

その人の想いはあり、

人生は続いていきます。

だからこそ、

「最期をどうするか」だけではなく、

「これからをどう生きるか」。

そのために、

エンディングノートや遺言、

任意後見、

家族信託、

そして保険など、

さまざまな備えを上手に組み合わせてほしいと思っています。

そして、

今回のお話から、

もう一つお伝えしたいことがあります。

高度障害保険金や重度障害に関する共済金は、「認知症」という診断だけで支払われるものではありません。

どのような状態が対象となるのかは、

それぞれの保険・共済の契約内容によって異なります。

医師の診断書などをもとに、保険会社や共済が個別に判断することになります。

ですから、

「認知症になったから保険金がもらえる」

ということではありません。

でも逆に、

「生命保険は亡くなったときのもの」

「認知症だから関係ない」

と決めつけてしまうのも、違います。

重い病気や障害によって日常生活に常時介護が必要となったとき。

ご本人やご家族が加入している生命保険、

共済、そして住宅ローンの団信。

一度、保険証券や契約内容を確認してみてください。

分からなければ、保険会社や共済に問い合わせてみる。

を

それだけで、これからの選択肢が変わることがあります。

「亡くなった後のため」と思っていた備えが、

「その人らしく、これからを生きるための備え」

になることがあります。

今回のご報告をいただいて、改めてそう感じました。

※ご本人・ご家族のご了承をいただき、個人が特定されないよう内容を一部変更・一般化してご紹介しています。