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2026.10.04

認知症の方を代理したり、
その方の生活や意思決定を支援したりする仕事をしていると、
「認知症について知っていること」と
「その人が見ている世界を理解すること」は、
決して同じではないと感じます。
先日、安曇野市で開催されている
『認知症あんしんいきいき学習塾』に参加してきました。
今回のテーマは、
VRゴーグルを使って、
「認知症のある方が体験している世界」を疑似体験すること。
でした![]()
認知症については、
これまでにも学んできました。
そして仕事では、
成年後見人などとして、
認知症のある方々と日常的に接しています。
それでも――
VRゴーグルをつけて、
自分自身が「その人」の側に立ってみると、
「ああ……そういうことだったのか」
と思う場面がありました。
これまで出会ってきた方の表情や言葉、行動が、ふっと頭に浮かびました。
「あのとき、こんなふうに見えていたのかもしれない」
「あの言葉は、こういう不安から出ていたのかもしれない」
もちろん、
VRを体験したからといって、
認知症のある方の気持ちがすべて分かるわけではありません。
むしろ、
「自分にはまだ分かっていないことがある」
と気づくことこそ、
大切なのだと思います。
今回体験した「VR認知症」は、
認知症の中核症状などを体験するプログラムです。
配付された資料にも、
視空間失認、失認・失行・失語・実行機能障害、記憶障害、見当識障害、レビー小体型認知症にみられる幻視などについて説明がありました。
でも、今回いちばん心に残ったのは、
症状の「名前」ではありませんでした。
その人には、その人なりに見えている世界がある。
こちらから見れば不思議に思える行動にも、
本人の側から見れば、
その人なりの理由や背景がある。
そこを想像できるかどうかで、
私たちの声のかけ方も、
お返事の待ち方も、
支援の仕方も変わってくるのだと思います。
VRの内容そのものは、
これから体験される方のために内緒にしておきます。
これは、知らずに体験した方が絶対にいい。
ただ一つだけ言えるのは、
「認知症の人は、なぜそんなことをするのだろう?」
という問いが、
「この人には、今、この世界がどう見えているのだろう?」
という問いに変わる体験でした。
私は行政書士・社会福祉士として、
成年後見や財産管理、意思決定支援などを通じ、
認知症のある方の人生に深く関わらせていただいています。
だからこそ、
資格があるから。
仕事で接しているから。
何年もこの分野に携わっているから。
それだけで「分かっている」と思ってはいけない。
制度を知ること。
法律を知ること。
症状を知ること。
どれも大切です。
でも、その先にある、
「この方はいま、何を感じているのだろう」
という想像力を持ち続けることも、
同じくらい大切だと思っています。
今日の体験で、
これまで関わってきた方々への理解が、
ほんの少し深まった気がします。
そして明日から、
私自身の声のかけ方や、
お返事の待ち方も、
ほんの少し変わると思います。
その「ほんの少し」を、
これから積み重ねていきたいと思います。
貴重な学びの機会を用意してくださった
NPO法人アルウィズ、
長野県高齢者生協松本、
NPO法人社会生活サポートチーム風を詠むの皆様、
ありがとうございました。
学んで終わりではなく、
明日からの実践につなげます。