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2026.09.29
「成年後見人と身元保証人」のお話です。
施設や病院から、
「身元保証人をお願いします」
と言われることがあります。
では、成年後見人がついていれば、
後見人が身元保証人になればいいのでしょうか?
答えは、
「後見人」と「身元保証人」は、
そもそも役割が違います。
そして、後見人が本人の入院費や施設利用料について、
自ら保証人になったり、
本人に代わって自腹で支払ったりすることは、
後見人の仕事ではありません。
また、
「後見人が個人的に保証人になればいい」
というものでもありません。
本人の財産を管理する後見人が、
本人の債務を個人的に保証することは、
本人との利害が対立するおそれもあります。
つまり、
後見人は「身元保証人になる人」ではないのです。
では、病院や施設は、
なぜ「身元保証人」を求めるのでしょう。
厚生労働省のガイドラインを見ると、
実際に「身元保証等」に期待されている役割は一つではありません。
たとえば、
・緊急時の連絡先
・入院費や施設利用料の支払い
・退院・退所の支援
・必要な物品の準備
・亡くなった後のご遺体や遺品の引き取り
など、
いくつもの役割が
「身元保証」という一つの言葉の中に入っています。
ここが大切です。
後見人は、
これら全部をする人ではありません。
でも、
後見人がいることで、
病院や施設が心配していることの多くは、
整理できることがあります。
たとえば、お金。
後見人は、
本人の入院費や施設利用料を
自分のお金で保証する人ではありません。
でも、
本人に支払える財産があれば、
本人の財産を管理して、
そこから必要な費用を支払います。
では、本人にお金がなかったら?
後見人が立て替えるわけではありません。
生活保護など利用できる制度はないか。
医療費や施設利用料をどうするか。
今後どのような生活を組み立てるか。
本人の状況に応じて、
病院、施設、行政、福祉関係者などと一緒に考えていきます。
退院後の生活についても同じです。
必要な医療・介護・福祉サービスの契約など、
後見人の権限で対応できることがあります。
そして、ご本人が亡くなった後のこと。
成年後見人の権限は、
原則として本人が亡くなることで終了します。
ただし、現在の法律では、
成年後見人については、
一定の要件のもと、
家庭裁判所の許可を得て、
火葬・埋葬に関する契約など、
一部の事務を行える場合があります。
つまり、
「後見人=身元保証人」
ではありません。
でも、
「身元保証人がいない=何もできない」
でもありません。
大切なのは、
「身元保証人がいません」
で話を止めるのではなく、
「病院や施設は、具体的に何を心配しているのか」
を一つずつ分解して考えること。
お金のことなのか。
緊急連絡先なのか。
退院後の生活なのか。
亡くなった後のことなのか。
必要な役割が分かれば、
後見人ができること。
医療・福祉職が担うこと。
行政につなぐこと。
別の支援者やサービスが必要なこと。
それぞれに整理できます。
身元保証人という
「一人の誰か」を探すことから始めるのではなく、
その人に必要な「役割」を考える。
身寄りのない方を支援するとき、
私はこの視点がとても大切だと思っています。
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宮澤優一
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