行政書士・社会福祉士
宮澤優一事務所
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2026.10.12

今日は「医療に関する同意」のお話です。
入院や手術、
そして人生の最終段階における医療。
本人が意思を伝えられなくなったとき、
誰が医療の方針を決めるのでしょうか?
「家族が同意するんじゃないの?」
そう思われるかもしれません。
実は、
日本では、家族だからという理由だけで、
本人に代わって医療行為に同意する一般的な法的権限が与えられているわけではありません。
そして、
成年後見人にも、
医療行為への同意権はありません。
では、
身寄りのない方は、どうなるのでしょうか。
厚生労働省は、
「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」
などを示しています。
そこで大切にされているのは、
何よりも、本人の意思です。
まず、
本人に必要な説明を行い、
自分で意思決定できるよう支援すること。
認知症や障害があっても、
直ちに意思決定できないと決めつけてはいけません。
そして、
本人の意思を確認できない場合には、
厚労省の
「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」
などを踏まえ、
医療・ケアチームが慎重に方針を検討します。
私は、
成年後見人も、
本人の意思や価値観を医療・ケアチームに伝え、
共に考える大切な役割を担っていると考えています。
家族等から本人の意思を推定できる場合には、
その推定意思を尊重し、
本人にとって最善の医療・ケアの方針を検討する。
本人の意思を推定することが難しい場合には、
本人にとって何が最善かを、
医療・ケアチームと家族等で慎重に話し合う。
家族等がいない場合には、
医療・ケアチームが、
本人にとって最善の方針を慎重に検討するのです。
必要に応じて、
複数の専門家による検討も行います。
つまり、
家族や後見人は、
本人の意思や価値観を医療・ケアチームに伝え、
本人にとって最善の医療・ケアが実現されるよう、
話し合いに関わる大切な役割を担っているのです。
ここで重要なのが、
元気なうちからの話し合いです。
私は、
成年後見人や代理人として関わる際、
エンディングノートに事前指示書の内容も盛り込み、
医療についての希望を伺うようにしています。
延命治療についてどう考えるか。
どこで、どのように過ごしたいか。
そして、
それ以上に大切にしているのが、
「その方が、何を大切にして生きてきたのか」
という、その方自身の価値観です。
実際に、
人生の最終段階における医療の選択に関わったり、
お看取りに立ち会ったりすることもあります。
そんなとき、
以前伺ったご本人の言葉や価値観が、
医療・ケアチームとの話し合いで大切な手がかりになります。
もちろん、
事前指示書を書けば、
将来の医療がすべてそのとおりに決まるわけではありません。
気持ちは変わることもあります。
だからこそ、
繰り返し話し合い、
その内容を記録し、
共有しておくことが大切です。
これは、
身寄りのない方だけの問題ではありません。
家族がいても、
本人が何を望んでいたのか分からなければ、
周囲は悩みます。
逆に、
家族がいなくても、
信頼できる友人や支援者と希望を共有しておくことはできます。
大切なのは、
誰が代わりに決めるかではなく、
本人の思いをどう守るか。
そのために、
元気な今から話し合っておく。
これも、大切な「老いじたく」だと思います。