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2026.10.13

【身寄りのない人が行方不明に。警察への届出は、家族しかできない?】

今日は「身寄りのない人が行方不明になったら?」

というお話です。

例えば、

身寄りのない認知症の高齢者が、

自宅からいなくなってしまった。

担当ケアマネジャーや地域包括支援センター職員が、

懸命に探しても見つからない。

「警察に行方不明者届を出したいけれど、家族じゃないと出せないのでは?」

実は、

そんなことはありません。

行方不明者届は、家族以外でも出せるのです。

根拠は、

国家公安委員会が定める

「行方不明者発見活動に関する規則」の第6条。

ここには、

届出ができる人として、

親族や後見人だけでなく、

・本人を現に監護している人
・本人の福祉に関する事務に従事する人
・本人と社会生活上、密接な関係がある人

なども定められています。

つまり、

本人との関係や支援状況によっては、

福祉関係者も正式に届出ができるのです。

もちろん、

福祉職なら誰でも無条件に届け出られるわけではありません。

本人との関係や、

行方不明になった状況を把握しているかなどが重要になります。

そして、もう一つ。

実は、

発見された後にも大切なルールがあります。

行方不明者が発見されれば、

警察は原則として届出人に通知します。

ところが、

同規則第26条では、

本人の意思や事情によって、

通知しなかったり、

伝える内容を制限したりできると定めています。

例えば、
本人が配偶者からの暴力を逃れて家を出た場合。

その配偶者が行方不明者届を出していたとしても、

居場所を知らせることが、

かえって本人を危険にさらす可能性があります。

このような場合、

規則では、

原則として本人の同意がなければ届出人に発見を通知しないこととされています。

つまり、

警察の役割は、

単に「探して、届出人のもとへ戻す」ことだけではないのです。

本人の安全を守ること。
そして、本人の意思や権利を守ること。

この両方が大切にされています。

なお、

認知症の方が行方不明になるなど、

生命や身体に危険が及ぶおそれがある場合には、

ためらわず速やかに警察へ通報・相談することが大切です。

私は以前、警察官でした。

そして今は、

行政書士・社会福祉士として、

身寄りのない方々の生活や権利を守る仕事をしています。

立場は変わりましたが、

大切にしたいことは同じです。

身寄りがないから、誰も動けない。

そんなことがあってはいけません。

だからこそ、

支援者が制度を正しく知り、

いざというときに動ける関係を、

日頃からつくっておく。

家族がいなくても、

本人を守るためにできることはある。

それを知っておくことも、

大切な「権利擁護」だと思います。