行政書士・社会福祉士
宮澤優一事務所
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2026.10.21

今日は相続のお話です。
「父には借金があるので、相続するつもりはありません。
今のうちに相続放棄をしておきたいのですが……」
実は、
こうしたご相談は珍しくありません。
ですが、
親が生きている間に、
相続放棄をすることはできません。
親子で「相続しない」と約束しても、
たとえ念書を書いていたとしても、
法律上の相続放棄にはならないのです。
相続放棄は、
親などが亡くなり、
自分が相続人になったことを知ったときから、
原則3か月以内に、
家庭裁判所で手続きをします。
では、
親が元気なうちに、
何もできないのかというと、
そうではありません。
むしろ、
元気なうちだからこそ、
できる準備があります。
借金の相手先や金額を、親に確認しておく
親が誰かの保証人になっていないか、聞いておく
通帳や契約書などの保管場所を、家族で共有しておく
亡くなった後に、
手がかりのないまま借金の全体像を調べるのは、
想像以上に大変です。
もう一つ、
実務でよく出会う落とし穴があります。
子ども全員が相続放棄をすると、
相続する権利は、
親の親や、
親の兄弟姉妹へと移っていきます。
借金も一緒に移るため、
何も知らない叔父や叔母のもとに、
突然、督促状が届くことがあるのです。
相続放棄をするときは、
次に相続人となる親族へも、
ひと声かけておきたいところです。
また、
相続放棄をする前に、
親の預金を引き出して使ったり、
財産を処分したりすると、
放棄できなくなることがあります。
「相続しないと約束したから大丈夫」
そう思っていても、
いざ相続が始まると、
思わぬことが起こります。
柿と同じで、
外から見ただけでは分からないことがある。
親が元気なうちに、
少しだけ中をのぞいて、
話をしておく。
それが、
残される家族を守る、
いちばんの準備なのかもしれません。
※似た言葉に「遺留分の放棄」があります。
こちらは生前にもできる手続きです。
相続放棄との違いについては、また改めてご紹介します。