行政書士・社会福祉士
宮澤優一事務所
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2026.10.22

相続の世界には、
遺言によって、
財産を子どもの一人に独り占めさせようとしても、
ほかの相続人に
「最低限の取り分」
が残る仕組みがあります。
昨日予告した
「遺留分(いりゅうぶん)」
のお話です。
■ 遺留分とは?
亡くなった人の夫や妻、子ども、親には、
法律で守られた「最低限の取り分」があります。
それが遺留分です。
(兄弟姉妹には遺留分はありません)
子どもの遺留分は、
原則として法定相続分(本来の取り分)の2分の1。
例えば、
母はすでに亡くなっていて、
父の財産が2000万円、
子どもは長男と二男の2人。
このような相続関係であった場合、
父が「全財産を長男に」という遺言を残しても、
二男は長男に、
500万円を支払うよう求めることができます。
本来もらえるはずだった1000万円の、
2分の1にあたる額です。 (※借金や生前贈与などがない、単純化した例です。)
■ 生前に手放すこともできる
この「最低限の取り分」である「遺留分」は、
親が元気なうちに、
あらかじめ手放しておくことができます。
これが「遺留分の放棄」です。
昨日お話しした相続放棄は、
生前にはできませんでした。
ここが大きな違いです。
ただし、
生前に遺留分を放棄するには、
家庭裁判所の許可が必要です。
なぜ、
家庭裁判所の許可が必要なのか。
それは、
親などから無理やり遺留分を手放させられることを防ぐためです。
そのため家庭裁判所は、
本人が自分の意思で決めたのか
手放す理由に納得できるものがあるか
生前に援助を受けているなど、見返りがあるか
といった事情を踏まえて、
許可するかどうかを判断します。
一度許可されると、
簡単には取り消せません。
■ どんなときに使われる?
家業や自宅を、跡を継ぐ子にまとめて残したい
障がいのある子に、より多くの財産を残したい
こうした場面で、
遺言や生前の贈与と組み合わせて使われます。
■ 気を付けたい2つのこと
① 遺留分を放棄しても、相続人でなくなるわけではない
遺留分を放棄しても、
相続する権利までなくなるわけではありません。
例えば、
遺言がなければ、
遺留分を放棄したとしても、
ほかの相続人と遺産の分け方を話し合う立場はそのままです。
② 借金を引き継ぐ可能性は残る
遺留分を手放しても、
財産を受け継ぐ立場(相続人)であることは変わりません。
親に借金があれば、
相続によって引き継ぐ可能性があります。
借金を含めて相続したくない場合には、
相続が始まってから、「相続放棄」を検討する必要があります。
「遺留分」は、
家族の誰かが置き去りにされないための、
大切な仕組みです。
一方で、
それを手放すことが、
家族みんなの安心につながる場合もあります。
大切なのは、
親子できちんと話し合い、
納得したうえで準備をすることですね。