行政書士・社会福祉士
宮澤優一事務所
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2026.10.29

今日は「遺言書」のお話です。
相続人全員で話し合って、
「この家は長男」
「預金は兄弟で半分ずつ」
と遺産分割協議が成立。
不動産の名義変更も終わった。
預金の手続きも終わった。
「これで相続手続きは全部終わった!」
……と思った数か月後。
実家の引き出しの奥から、
「遺言書」が出てきた。
しかも、そこには遺産分割協議とは違う内容が書いてある。
こんなとき、
「えっ!?全部やり直し!?」
と思いますよね。
でも、
後から遺言書が見つかったからといって、
直ちに「すべてが自動的にやり直しになる」とは限りません。
まず確認するのは、
その遺言書がどのようなものかです。
自筆で書かれた遺言書であれば、
原則として家庭裁判所で「検認」という手続きが必要です。
ただし、
法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用していた遺言書や、
公正証書遺言には検認は必要ありません。
なお、検認は、
「この遺言書は有効です」
と裁判所がお墨付きを与える手続きではありません。
遺言書の存在や状態、内容を確認し、
偽造や変造を防ぐための手続きです。
そのうえで、
・遺言書には何が書かれているのか
・すでに行った遺産分割と食い違うのか
・誰が財産を受け取る内容なのか
・遺言執行者は指定されているのか
などを確認します。
遺言書がある場合、
原則として遺言者の意思に沿って財産を承継することになります。
一方で、
事情によっては、
相続人や遺言によって財産を受ける人など関係者が合意し、
遺言とは異なる分け方をすることが認められる場合もあります。
つまり、
「遺言書が出てきた=必ず全部やり直し」
でもなければ、
「もう遺産分割が終わった=遺言書は無視していい」
でもありません。
特に、不動産をすでに名義変更している。
さらに第三者へ売却している。
預金を分配して使っている。
こうした場合には、
第三者との法律関係や登記、税務なども含め、
個別に確認する必要があります。
だからこそ。
相続手続きを始めるときには、
いきなり遺産分割協議をするのではなく、
「遺言書はないか?」
を最初に確認することが大切です。
そして遺言書を作る側も、
「書いたから安心」で終わりではありません。
自分が亡くなった後、
その遺言書を必要な人がきちんと見つけられるか。
そこまで考えておくことも、
大切な「老いじたく」です。
せっかく残した自分の意思が、
引き出しの奥で何年も眠ったままにならないように。
遺言は、
「書くこと」と
「きちんと見つけてもらえる仕組みを作ること」
私は、
その両方まで一緒に考えることが大切だと思っています。