遺留分を放棄させることは可能ですか?

遺言書を自分自身で数年前に書きましたが、遺留分というものがあるため、全てが私の意思どおりにはならないのだと知りました。
私達夫婦には子供がいないので、普通だと私の財産は配偶者に相続されるのでしょうが、色々な事があって私の親も私の離婚を望んでいます。
で、離婚までにどのくらい時間がかかるのか分からないので、いつ何が起きてもいいように私の財産を配偶者に渡らずに、遺言書どおりにできる方法はないのでしょうか?


One thought on “遺留分を放棄させることは可能ですか?

  1. 「夫に自分の財産を一切相続させたくない」ための方法を考えてみます。

    ご質問の一番の趣旨は、「夫に自分の財産を一切相続させたくない。」ということですね。
    幾つかの方法が考えられます。
    まずは、あなたの置かれた状況を整理したいと思います。

    あなたの置かれた状況についての整理

    人が死亡した場合、その人が残した財産は法律で定められた相続人が受け継ぐことになります。
    お子様がおらず、あなたのご両親もご存命のようですので、もし、あなたが亡くなれば、「夫」と「あなたのご両親」が相続人となります。
    法律で定められた割合では、「夫が3分の2、両親が3分の1」です。
    離婚されれば、その瞬間から夫は相続人ではなくなりますが、戸籍上の夫婦である限り夫は相続人のままです。

    そして、ご質問にありましたとおり、夫には「遺留分」といって、相続財産の中の一定割合が保障されています。
    ですから、たとえ「母親に全財産を相続させる」といった遺言書を残したとしても、夫が「遺留分をよこせ」と請求すれば、その分を夫に渡さなければなりません。
    参考までに、夫の遺留分は「全体の財産の2分の1×3分の2(夫の法定相続分)」となります。
    例えば1,200万円の財産を残されたということであれば、400万円が夫の遺留分となるわけです。
    なお、夫が遺留分を請求しなければ、遺言書どおりに相続されます。

    ※上記の状況は、あなたのご質問をもとに私なりに整理したものですので、もし事実が違いますとこの状況も変わりますのでご承知おきください。

    それでは、夫に財産を相続させず、遺言書どおりに相続させる方法についてまとめます。
    以下の2つの方法が考えられます。

    1.あらかじめ夫に「遺留分の放棄」をさせる。

    ご質問のタイトルに「遺留分を放棄させることは可能ですか?」とありましたが、答えを先に申し上げると「法律的には可能」です。
    たとえば、「母親に財産を全て相続させる」という遺言書を残し、夫には遺留分を放棄させれば、母親に財産の全てを相続させることができます。

    ただし、あなたが亡くなる前に夫が遺留分を放棄するためには、家庭裁判所の許可が必要です。
    遺留分の放棄について、家庭裁判所は許可する基準をもうけています。
    その基準は、概ね次の3つです。

    1. 放棄が本人の自由意思にもとづくものであるかどうか。
    2. 放棄の理由に合理性と必要性があるかどうか。
    3. 代償性があるかどうか。(たとえば放棄と引きかえに現金をもらうなど)

    これらを考慮して、遺留分の放棄が相当なものかどうかを判断して、許可あるいは却下の判断をしているようです。
    つまり、夫が自ら遺留分放棄の意思表示をする必要があるということですから、夫の理解を得るのが難しいということですと、「法律上は遺留分の放棄は可能だけれども、事実上は不可能」ということになります。
    これが先に申し上げた「法律的には可能」の理由です。

    家庭裁判所「遺留分放棄の許可」 ← こちらは裁判所のホームページです。

    なお、「遺留分の放棄」は「相続放棄」とは違いますから、遺留分を放棄した者も相続人にはなりますので、確実に有効な内容の遺言書を残しておかなければ意味がありません。
    遺言書が有効なものであるか、今一度確認をしてください。

    2.家庭裁判所に対して夫の相続人廃除の申し立てをする。

    ご質問からは、相続人廃除ができるかどうかの事実が分かりませんでしたが、参考までに記します。

    相続人の廃除というのは、たとえば相続人である夫が、あなたに対して虐待をしたり、重大な侮辱をしていたり、重大な非行があったという場合に、家庭裁判所に対して「こんな酷いことをする人間は相続人にしたくない。」という申し立てをして、その者を相続人から外してしまう制度です。

    夫について相続人廃除の申し立てをして、家庭裁判所がそれを認めれば、夫は遺留分も含めたすべての財産を相続することができなくなります。
    ただし、この虐待や重大な侮辱、著しい非行などの判断基準については一概に言えません。
    ご質問にはありませんでしたが、もし万が一、あなたが夫による虐待や重大な侮辱、著しい非行などによって「夫に財産を相続させない方法」を考えるに至ったのであれば、この方法も検討できると思います。
    当然ながら、この場合には夫の理解を得る必要はありません。

    ご質問にはこのような事実はありませんでしたが、可能性のひとつとしてお答えいたしました。
    ご参考になさってください。

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