成年後見制度が使えない場合、どうしたら良いですか?

近所に、昔から仲良くしている1人暮らしの高齢者がいます。
昔は踊りをやっているくらいお元気な方だったのですが、最近は足腰が悪くなって、歩くことも大変そうです。
買い物はスーパーなどの宅配を利用していたり、私もお手伝いしたりしているので、特に困っていることはないのですが、生活のためのお金を銀行まで引き出しに行くのが問題です。
ご本人も困っていて、私にお願いしたいと仰っているのですが、いくら仲良くしているとはいえ、私も銀行の通帳を預かるような責任重大なことはできません。
私なりに調べて、成年後見という制度を使えば良いかと考えたのですが、この方は認知症ではなく、とてもしっかりした方なので、成年後見制度は使えないことが分かりました。
このような場合に、何か良い方法はありますでしょうか。


One thought on “成年後見制度が使えない場合、どうしたら良いですか?

  1. 信頼のできる人と「財産管理契約」を結ぶという方法があります。

    「財産管理契約」というのは、高齢などのために、自分で財産の管理をすることが難しい場合に、自分の財産の管理を信頼できる人に委ねる契約です。

    どのように財産を管理するかということは、管理を依頼する人(委任者)とその依頼を引き受ける人(受任者)が話し合って決めます。

    決めた内容は、トラブルを防止するためにも財産管理契約書という書面にしておきます。

    公正証書にする必要はありませんが、公正証書にしておけば、より万全かと思います。

    財産管理契約によって何を委ねるか。

    財産管理契約に関する特別な法律はありません。

    難しい話になるのですが、財産管理契約は、「民法」という法律に定められている「委任契約に関する規定」によって規律されます。

    ですから、管理を依頼する人(委任者)が、その依頼を引き受ける人(受任者)に何を委ねるかという内容も、委任者が「自分の財産を管理してもらうために必要だ。」と考えることの全てが対象となります。

    つまり、委ねる内容は、財産管理契約を結ぶ際に委任者と受任者が話し合って取り決めることになるのです。

    一般的には、次のようなことを委ねます。

    まさに、ご質問にあるようなことです。

    ・日常の生活に必要な物品を購入する。
    ・日常生活に必要なお金を、預貯金口座から引き出す。
    ・委任者が借りている住宅の月々の賃料の支払い。
    ・委任者が貸している不動産について、月々の賃料を受領する。
    ・保険会社との取引。
    ・要介護認定の手続き。
    ・介護施設入所の契約や、契約への同行。
    ・医療サービスの契約や入院に関する諸手続き。
    ・住居の購入、家屋の増改築等に関すること。

    成年後見制度と財産管理契約の違い

    成年後見制度は、精神上の障害により事理を弁識する能力が不充分な状態とならないかぎりは開始されません。

    ご質問にもありましたとおり、年齢や体調などが理由で自分の財産を管理できないといった場合でも、ものごとを判断する能力に問題のない場合には、成年後見制度は適用されないのです。

    また、成年後見制度は、被後見人が亡くなると終了してしまいますから、「自分がこの世を去った後に、菩提寺へ寄付して欲しい。」といった希望は、成年後見制度で対応することはできません。

    財産管理契約場合、「自分の死後にこんなことをして欲しい。」といった内容も実現できます。

    ですから、死後の財産の使用方法などを生前に依頼しておきたい場合にも、財産管理契約は効果的です。

    成年後見制度については、こちらもご覧になってください。
    ↓↓↓
    成年後見制度とはどんな制度?

    こんなときに成年後見制度が必要です!

    成年後見制度の利用が困難な方に ~成年後見制度利用支援事業~

    成年後見制度における判断能力の目安

    成年後見制度を利用しても戸籍に載らないというのは本当ですか?

    財産管理契約を考える場合に注意すること

    上記のとおり、財産管理契約は、成年後見制度ではできないことを実現できます。

    しかし、成年後見制度は、家庭裁判所が関与、監督することによって被後見人の保護が図られるのに対して、財産管理契約にはそれがありません。

    ですから、財産管理契約を結んだ後に、委任者が認知症に罹るなどしてものごとを判断する能力が不十分となった場合には、委任者を保護するために、そのまま財産管理契約を継続するより、成年後見制度へ移行するように定めておいた方が望ましいでしょう。

    また、成年後見制度に移行する場合でも、委任者の死後の財産管理についての財産管理契約は、その効力を残しておくことが必要な場合もあるので注意が必要です。

    日常生活支援総合事業を活用するという方法もあります。

    成年後見制度を利用しなければならないほど、ものごとを判断する能力は低下していないものの、1人では不安という方もおられると思います。

    そういった場合には、厚生労働省の事業の一つである「日常生活自立支援事業」を利用して財産管理契約を結ぶこともできます。

    日常生活自立支援事業を利用については、まずは、お住まいの市町村の窓口に相談下さい。

    日常生活支援総合事業については、こちらもご覧になってください。
    ↓↓↓
    「日常生活自立支援事業」~成年後見制度を使うほどではない方へ~

    財産管理契約については行政書士等の専門家にご相談ください。

    財産管理契約の問題点は、家庭裁判所などの公的機関が監督、指導等に全く関与しない点です。

    あってはならないことですが、受任者が委任者の財産を自分のために使ってしまう恐れが無いとは言えません。

    そのような恐れがある場合でも、委任者が自ら受任者を監督する以外に、その恐れが現実になることを防止できません。

    財産管理契約については行政書士等の専門家にご相談することをお勧めいたします。

    まずは、どのような財産管理契約を結ぶことが適切かといったことを相談することができます。

    そして、必要によっては行政書士等の専門家を財産管理契約の受任者とすることもできます。

    こうした専門家は、行政書士であれば行政書士会、弁護士であれば弁護士会に所属しており、それぞれの会から監督を受けています。




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